2024年6月21日(金) 19時から第222回JLPの定例会が開催されました。
今回の講師は写真家の山田哲也さんです。
定例会開始前、山田さんは画像生成で作成された画像を用いた名刺を会場に持参してこられ、まず画像生成AIが作り出す画像の鮮明さやリアルさに衝撃を受けました。
生成AIは、単に一から画像を生成するだけでなく、実在する写真をもとに加工すること、例えば電柱の消去や背景の変更といった作業も可能ということを教えていただきました。そのような作業は従来は何時間もかかる手間のかかるものでしたが、画像生成AIの利用で数分~数十分でできるようになったとのこと。
しかし、AIはまだ苦手とする領域も存在します。例えば、指先の微細な表現、ひらがなや漢字等、また日本文化(和装の花嫁衣裳等)については、なおまだ不十分な部分があることも知りました。
主な画像生成AIサービスとして、ChatGPT Plus+DALL E3、Leonard Ai、Adobe Photoshop、Stable Diffusion、MidJourney 等を紹介していただきました。サービスごとに様々な特徴があり、著作権の問題をクリアしているサービスや、商用利用可能なサービスもあるということでした。
なお、誤解されがちな点として、画像生成AIは元の画像を単純に加工するのではなく、学習したデータから新たに画像を生成するということでした。
画像生成AIにより、特にイラストレーターや翻訳業等には大きな影響を与える可能性があります。また、広告宣伝用画像についてもAIで作成可能となり、モデルやスタイリストを使わずに画像を活用することができたり、部屋のデザインや庭のリフォーム後のイメージ等の提案用の資料として画像生成AIを活用できるということで、その影響の大きさを感じました。
画像生成AIを体験する機会として、受講生各自が手持ちのスマホからCopilotのアプリを操作して、「踊る猫」というプロンプトで画像を生成するということも行いました。同じプロンプトでも生成される画像は異なっており、更に別のプロンプトを入力することでまた違う内容の画像を作成させることができる等、画像生成AIに触れてみて、改めてその面白さと無限の可能性を感じました。
もちろん、これだけ便利なAIですが、その分リスクも色々懸念されるところです。著作権には十分気を付ける等、特にビジネスで用いる場合にはトラブルにならないよう留意しなければならないことを教えていただきました。
最後に、画像生成AIが仕事を奪うのかという話がありました。写真家等の職業は過去にもデジタル化の波に直面しましたが、それに対応して生き残ってきました。AIを正しく理解し、技術を活用することで、新たな創造性や効率性を引き出すことが重要であると思いました。
今後も、技術の進化と共に画像生成AIがどのように進化し、社会にインパクトを与えていくかを注視していく必要があります。画像生成AIについては断片的な知識しかなかったですが、山田さんの豊富な知識と分かりやすいお話のおかげで、かなりイメージを持てるようになりました。
定例会終了後は講師も参加して懇親会が開催され、参加者同士で大いに交流いただきました。改めて、山田さん、ありがとうございました。
次回定例会は7月19日(金)19時開始で、テーマは「学生起業家が語るスマートワークの実現:生成AIによる業務効率化」です。追ってHPやフェイスブック等で告知しますので、ふるってご参加ください。