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定例会レポート:お客様との接点強化セミナー~売り込まなくても売れる仕組み~


2025年2月12日(水)に第228回JLP定例会が大阪産業創造館で行われました。

講師はれいあうと・にっしん株式会社代表取締役社長の名倉信一氏で、テーマは「お客様との接点強化セミナー~売り込まなくても売れる仕組み~」でした。

既にJLPの定例会で複数回登壇されている名倉さんから、今改めて見直すべき、お客様とのコミュニケーションの取り方について、その中で「名刺」と「ハガキ」が持つ役割と付加価値についてお話しをお伺いしました。

営業は「誰でもできる」仕組みづくりが重要であり、個人のスキルに依存しないことが理想です。ハウツー(方法論)よりも、営業としての「在り方」が成果を左右します。単なる受け身ではなく、「積極的待ち」を実践することが求められます。つまり、お客様が必要とするタイミングで「この人から買いたい」と思ってもらう関係性を築くことが営業のゴールになります。

また営業では、初動が後の結果を大きく左右します。わずかなズレが長期的には大きな差となるため、営業活動の基盤を早期に整えることが必要です。一例として「折り鶴」型の営業をお話しいただきました。最初は一枚の紙(無関心の顧客)でも、適切な折り方(接点の積み重ね)をすれば、最終的に折り鶴(信頼関係)になります。

そして、高額商品ほど「誰から買うか」が重要になります。特に士業、保険営業、工務店の営業は、お客様が「買うこと自体は決まっている」ため、選ばれる人になることが成否を分けます。そのためには、信頼度・スピード・相性・人間性がカギとなる、ということが再認識されました。

経営の目的は「利益」ではなく、「顧客をつくること」にあります。顧客が生まれ、維持されることで初めて利益が発生します。「顧客維持」が特に重要ですが、多くの企業はこれができていません。

維持の鍵は「接点の強化」であり、お礼状や電話といった継続的なコミュニケーションが欠かせません。

理想的な「顧客つくり」の流れは、(一般 → 見込み客 → 顧客 → リピーター → 紹介)になります。

そして、この中で最も難しいのは「見込み客を見つけること」です。

なぜなら、ニーズがなければ購買行動は発生しないため、見込み客の維持が最も重要になります。お客様の状況・環境・心境は変化するため、定期的な接触が大切です。

ここで、お客様の記憶に残るために、ハガキが有効的なツールとなります。

例えば、保険営業では「売る」のではなく「価値を伝える」ことが重要であり、名刺やハガキで接点を増やす仕組みを作ることが重要となります。

なぜハガキが有効的なのかというと、

 • DMは「お金を持ってこい」のメッセージだが、お礼のハガキは「安全で好き」な印象を与える

 • 返報性の原理により、もらった人は何かお返しをしたくなる

 • 脳は「好き・嫌い」で判断するため、お礼のハガキで好意を持たれる

 • 手書きのハガキはクレームを減らし、レビュー向上につながる(不協和認知理論)

 • ザイアンスの法則(単純接触効果):接触回数が多いほど信頼感が増す

といった点があります。

具体的なハガキの種類と使い方に関しては、

 1. 定期ハガキ:年4回の接触で継続的な関係を築く

 2. 不定期ハガキ:顧客ごとのタイミングで送る

 3. 事前ハガキ:「バーチャル初対面」として営業前に送る

といった方法があります。

特に、お礼のハガキには売り込みを入れないことが重要です。

営業色を出さず、純粋に感謝の気持ちを伝えることで、相手の好意が蓄積されます。

理想的な営業活動とは、売り込みをせずとも自然にお客様が集まる状態を作ることです。

見込み客に価値を伝え続け、ニーズ発生時に思い出してもらえる関係性を築くことが最重要となります。

そのために、継続的なコミュニケーションを怠らず、接点を増やし続けることが求められます。

また、営業では、すべての見込み客を追い続けるのではなく、「本当に必要な人」との関係構築に注力することが大切です。人は「捨てる」ことが苦手ですが、決断とは何かを選ぶことであり、何かを捨てることでもあります。

●今回のまとめ

 • 営業は「待ち」だが、積極的に「選ばれる仕組み」を作ることが重要

 • お客様との継続的な接触が、信頼関係を深める

 • ハガキを活用し、売り込みではなく価値を伝える

 • マーケティングの理想は「セールスを不要にする」こと

 • 見込み客を維持し、ニーズ発生時に思い出してもらえる関係づくりを意識する

この営業セミナーでは、従来の「売る」営業ではなく、「選ばれる人になる」ための考え方と仕組みづくりの重要性が強調されました。今後の営業活動においては、短期的な売上ではなく、長期的な信頼関係を築くことを最優先にする必要があります。

定例会終了後は懇親会も開催され、さらに話が深まりました。名倉さん、ありがとうございました。

次回の定例会は4月18日(金)です。

JLPの理事でもある社労士の竹内さんに「開業3年目のリアル」についてお話ししてもらいます!ぜひご参加ください。

※申込はこちらから:https://npojlp.org/apply/